今回は府中市での塗替えです。

外壁と屋根の塗り替え 一番多い問い合わせですが

今回それ以上に重要視されていたのが「ドーマー窓」

現調時の画像ですが、屋根上に小さな窓が見えています。

建築用語で「ドーマー窓」と呼びますが

今回のお宅の窓は、スイッチ(モーター式)での開閉タイプで

モーターの故障により、すでに開かなくなってしまっています。

モーターが交換できれば良いのですが

年数経過により

「メンテナンス部品は既にありません」

「メンテナンス対応期間終了しております!」

という、サッシメーカーあるあるです。

 

結果、交換するしかありませんね

まずは部屋内側からルーバー部分のガラスを無理やり開口(壊してもよいので気が楽です)

そして、廻りのサイディングを撤去

室内側とやり取りできるように、ガラスも外します。

サッシを撤去したら

新しいサッシを設置し

防水シート・サイディングを貼っていきます。

あとは外部は通常通り、シーリングの施工後塗装をするだけです。

サッシの形状が違うことに気づかれたかと思いますが

私は個人的にルーバー窓(ジャロジー窓)が嫌いです。

断熱性や密閉性を考えても特にメリットはないので

今回は、横すべり出し窓へ変更しました。

室内側の仕上がりはこんな感じ。

チェーンタイプに変えたので、使用頻度によってはいずれチェーンが切れてしまうことも考えられますが

この手の単純な部材は、何年たっていても入手可能ですので

メンテナンス性は問題ないでしょう。

 

実はここから

外からは見えませんが、この建物にはもう一カ所ドーマー窓がありました。

そして同じくモーター式

外からは見えないので、換気を無視すれば塞いでしまう事も可能ですが

室内天井付近には熱気がこもりやすい&モーター式の為電源が来ている

ということで

ガラスだけを外し、下地をくみ上げます。

電線も見えますね。(勘の良い方はもうわかりますね?)

防水紙 「ドーン」  サイディング 「バーン」

あれ?塞いじゃうの????

室内側から、穴開けました。

パイプファン付けて

フードつけて

完了です。

試しにスイッチを入れてみましたが

居室のドアを開けておくと

階段・廊下を通じて 足元から涼しい冷気が

木造の二階は、夏場は特に どうにも熱いです。

空気が出入りする窓ではなく、強制的に排出するパイプファンを付けたことで

二階の熱気が排出され その補填として 一階から3~5℃は低いであろう空気が流れてきます。

換気において一番重要なのは「高低差」ですので(吸気も大事)

今回は想像以上に効果が高かったです。

塗替え完了後の画像

外壁はサイディングでしたので もちろん全てのシーリング打替え後に

日本ペイント パーフェクトトップ

屋根は同じく日本ペイントで サーモアイSi

今回は遮熱塗料の反射率に期待して クールネオウィスタブルーを選択

※色味により メーカー発表の反射率がかなり違います。

淡い色を屋根に使うと締まりがなく見えるので、いつも通り縁取り色分け塗装。

GAINA などを使用した場合も、トーシンではこのような仕上がりとなります。

 

【補足】

今回は手摺の防水も施しました。

見てわかるように、ベランダ手摺の角がアール形状になっています。

すでにパックリひび割れが

こういった部位にはモルタルの下に、コーナー定木が入っています。

こういうやつ

これをハサミで切って、曲げてアール形状に止めていくわけですが

やなり年数がたつと戻ろうとする反発力の方が強いのか

タッカー(建築用のホチキスみたいなもの)で止めてあるだけでは

徐々に離れて行ってしまい 先ほどの画像のようなひび割れが発生します。

近隣のお宅は(同じ建売) すでに腐食してしまい

アルミのベランダへ交換したり、アール部分を解体し直角に作り直している状態でした。

こちらもこれだけ割れていたので、すでに水が入っていたであろうとは思いますが

床や手摺の強度を確認したところ、現時点ではまだ大丈夫でしたので

ひび割れ部分へ 無機系防水材を流し込み クロス補強

その上から 乾燥→塗布を繰り返し やっと通常の塗装に入ります。(計4カ所施工しました)

コーキングで埋めて、そのまま塗装 のような業者さんが多いと思いますが

それではほとんど強度が出ないことは分かり切っているのでね

これでもひび割れが発生するようなら 上から板金でカバーしましょう。

 

前半に書きました、サッシ交換などもそうですが

未来の考えられる不具合をどれだけ考慮した提案が出来ているか?

これはとても大事なことです。

 

結局言いたいことは

「ただ塗り替えれば良いってわけでは無いのです。」

 

それではまた

 

執筆者紹介

トーシン株式会社
代表取締役
畑農 維人

1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。

執筆者紹介

トーシン株式会社
代表取締役 畑農 維人

1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。